主役脇役湧かせ役
書 題:主役 脇役 湧かせ役
副 題:テレビ[志]の時代
著 者:川口幹夫
出版社:講談社
発行年:1987/4/20
シマゲジこと島桂次の後にNHK会長となった著者の、
まだNHK交響楽団理事長当時の著書である。
自伝的要素も強く、生い立ちも結構綴られている。
苦労しながら、しかし東大を出ているという、
昭和の典型的努力人であろう。
文章を読んでいると、そうした人柄を感じられる気がする。

内容は、自伝とNHK通史と放送評論を炒り卵にしたようなもので、
従って、どれとして読んでも食い足り無さが残る。
さほど分厚いページ数でもないので、もう少し内容を絞るべきだったか、
或いはいっそ、ページ数を増やすべきであったろう。
読んでいると、随分と一所懸命に番組を作っていたんだなとは思う。
今のNHKでも、このように制作しているのだろうか。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:3
  主として記憶語り。裏話的なものも多く有るが、個人的見解も目立つ。

面白さ:3
  個人的見解で進めた頁が多く、勿体ない感じがする。もっと、ならではの体験談が読みたい。

必携度:2
  総合的に考えて、読むべき本とまでは勧められない。先に読むべきは多数ある。

入手難度:2
  アマゾン等で容易に入手可能。