テレビドラマ伝説の時代書 題:テレビドラマ伝説の時代
副 題:
著 者:升本喜年
出版社:扶桑社
発行年:2005/10/30
著者は、映画を作りたくて松竹大船撮影所に入り、
映画の衰退によってテレビ部に回されたという、お定まりコースを辿った。
そのコースを辿った人物の常として、当初はうらぶれた思いでテレビと関わる。
しかしそれも、年を経る毎にのめり込んでいき、
どっぷりとテレビドラマ漬けとなっていく。これまた、お定まりである。
物語を作りたいという志が有る人物であれば、必然そうなろう。

一人の人物の自伝的記述の中で、映画、そしてテレビで関わった様々な仕事、
人物について描かれていくのだが、これが非常に面白い。
特に多く頁が割かれているのは『大空港』というドラマで、
そのドラマが好きだった人なら、読んで損は無いだろう。
他にも数多くの仕事・人物が描かれていて、
どれも興味深い話で構築されてはいるが、あくまでも挿話的である。
但し、その挿話の選定が非常に的確なので、退屈せず読み進められる。

結局、この著者には文才が有るという事なのだろうと思う。
そして、その文才の源泉は、紛う方無く読書量の豊富さに裏打ちされていよう。
漫画だけしか読んでなかったのではないかという人物の文章は、
独りよがりな文章構成が多くて、非常に読みづらい。
だから、この時代までの制作者の著書は、一般書籍として読み易いけれども、
漫画文化全盛に青春を過ごした時代の人物になってくると、
書いてある内容そのものに興味が無いと、読むのに疲れる。
興味が有っても、あまりに稚拙な文章で疲れるものも多いが。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:5
  扱われるのは限られた番組・人物だが、興味深い内容が多い。索引もきちんと有る。

面白さ:8
  文章構成がきちんとしているので、物語としても読み進められる。

必携度:3
  大空港や鶴田浩二のファン等には是非。

入手難度:4
  探せば入手に苦労はしない。