テレビ大鑑書 題:テレビ大鑑
副 題:TELEVISION DIRECTORY 1958
著 者:
出版社:キネマ旬報社
発行年:1958/6/20
テレビ開局早々に『テレビ大観』という冊子を出したキネマ旬報が、
その5年後に再び世に出したテレビ特集冊子である。
あちらは「大観」、こちらは「大鑑」であるのでご注意を。
この昭和33年、時の皇太子殿下ご成婚パレードを翌年に控え、
テレビ普及台数はついに百万台を突破。
KRテレビ(現TBS)開局を経て、翌年にはフジテレビと
日本教育テレビ(現テレビ朝日)の開局による、関東民放4局体制となる。

いよいよテレビというものが身近になり、波に乗りだしてきた頃の
非常に希少な同時代資料として、研究者なら必須の冊子であろう。
とにかく記事の充実ぶりには目を見張るし、今日ではまず扱われないような、
歴史に埋もれてしまった番組の写真も、数多く掲載されている。

だが、この本で最もページ数が割かれており、最も価値が有るのが、
テレビ人名鑑であろう。
この昭和33年当時にテレビと関わっていた、俳優、解説者、司会者、ゲスト、
アナウンサー、脚本家、演出家が、なんと千名余も掲載されている。
人名事典として充分な内容・記述であり、この資料的価値は計り知れない。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:10
  この時期の同時代資料としてそもそも貴重だが、特に人名事典は圧巻。

面白さ:8
  テレビ史に興味ある人なら、隅から隅まで捨てる所が無い。

必携度:10
  テレビ資料を求める人であれば、とにかくこの人名事典は必須ですらある。

入手難度:6
  探せばわりと容易に見つかる。