東京12チャンネル運動部の情熱書 題:東京12チャンネル運動部の情熱
副 題:
著 者:布施鋼治
出版社:集英社
発行年:2012/7/31
白石剛達。
東京12チャンネル運動部部長として、豪腕・辣腕を振るった人物である。
本家ブログの方では度々記述しているが、12チャンネルという局は、
関東人にとっては文字通り、番外地のような局であった。
素人が見ても低予算丸出しの画面、出演者、企画。
何よりその名前からして、番外地感満載だった。

最後発でありながら教育局という枷まではめられ、
営業的にはどん底であったこの局が生き残るためには、
とにかく先発局がやらない事をやる、この一点のみに集中された。
それが安易な形で発露されたのが、エログロ局としての体質であり、
この面でも、テレビ史に残る番組を数多く輩出している。

が、反面、教育局を出自とする局ならではの番組も多かったし、
硬軟の硬の方でも、独自性の高い番組が目白押しであった。
 そして、それはスポーツという一分野だけに限ってもであった。
サッカー、女子プロレス、ローラーゲーム、キックボクシング、
箱根駅伝、モハメド・アリ…
皆、12チャンネルが先鞭を付けたと言っても過言では無い。

白石はアマレス界の重鎮としての人脈も縦横に使い、
鍛え上げた心身を駆使して、難事を次々克服し、
12チャンネル運動部の足跡に数多の華を咲かせた。
この書は、そうした彼の事績を軸にして、
12チャンネル運動部の熱情ある活動を振り返る。

本家ブログで書いた事が有るが、12チャンは芸能人も、
売れっ子は使えなかったので、まだこれからの人も多用した。
そして彼らは、売れ出してギャラが上がると、12チャンの画面から消えた。
同様に、12チャンが開拓したスポーツも、それが商売として脚光を浴びると、
先発局にかっ攫われてしまうという事が多かったようだ。
義憤を覚えつつも、だから12チャンは腐敗度が低めになって、
むしろ良かったんじゃなかろうかと、無責任な外野として、そうも思うのである。 


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:7
 白石はじめ多くの関係者が存命中のため、信頼度は高い。索引が無いのが難。

面白さ:7
 こんなものも12チャンネルで放送していたのか、という意外性も多い。

必携度:6
 12チャンネルを踏まえるためには、外せない本の一つ。

入手難度:2
 まだ絶版ではなさそう。中古も多く出回っている。