上方放送お笑い史書 題:上方放送お笑い史
副 題:
著 者:読売新聞大阪本社文化部(編)
出版社:読売新聞社
発行年:1999/1/12
大阪人の笑いに対する特別な思い入れは、全国認めるところか。
そんな笑いの本場を自負する大阪から出た、
関西お笑い、それも、放送に特化した通史である。

端的に言えば、これ以上の関西お笑い通史は、有り得ないだろう。
新聞社の文化部を挙げて、それも数年の準備期間を経たであろう、
しっかりした構成と取材の安定感は、個人作には得難いものである。

資料として通用するような通史を縦軸に配しながら、
折々に非常に貴重な証言の数々が鏤められる手法は、
新聞社による文章構成としては一般的で、
ドキュメンタリー分野では非常に有効な手法であろう。

そして、新聞社による事業という事で可能となったであろう豊富な証言と、
その人脈の貴重さを考え合わせるに、もう実現不可能と断言できるのだ。
ラジオ(若干はラジオ以前も)・テレビに於ける主要な関西お笑いの流れ、
関西お笑い人の出自成り立ちなど、初期を知らないお笑いマニアには必読書だ。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:6
 これだけの資料で索引が無いのは手抜きにも程が有る。

面白さ:8
 史上に残る大お笑い人の出で立ちが、証言と調査で次々振り返られる。

必携度:7
 お笑いマニアなら必読。

入手難度:3
 各中古本市場で安めに入手可能。