テレビ屋独白書 題:テレビ屋独白
副 題:
著 者:関口宏
出版社:文藝春秋
発行年:2012/6/30
帯を見ると、「初の著作」「かつて『生放送』で
ドラマをやっていた時代を知っていますか?」とある。
当然、関口宏が関わってきたテレビ史を語っている
かと思いきいや、それが全くそうではない。
テレビ関連でもたまーに有る、詐欺紛いの本である。

関口家、すなわち俳優の佐野周二一家は、
昭和28年にテレビ放送が始まった際、
数少ないテレビ受像器所有者としても有名だった。
当時、一家揃ってテレビと収まっている写真も有り、
そこでは子供時代の関口宏も、もちろん写っている。

ワタクシはそういう事も知っているから、期待して読んだのだ。
本当に貴重な、テレビ放送開始の頃からの自身の記憶、
更には、実際にテレビと関わり出すようになってからの
体験談などが次から次と繰り出されるものだと。
ところが、そんなものはほとんど皆無である。
生放送時代の話も有るが、それらは皆、有名な話の聞き囓り。
それどころか、自分自身の番組経験談すらほぼ皆無。

彼は、どんな目的でこれを著したのだろう?
読んでいる途中から、その疑問と憤懣でいっぱいになった。
こんなもの、ロクに初期テレビも見ていない若造にも書ける。
本書で最も強く書かれているのは、現今の制作に関する不満。
でもそれって、ネット上の素人にも散々言われているし、
あなたがすべき事は、そんな在り来たりを書く事じゃないでしょう。
それより、あなたにしか書けない記憶を書き残して下さい。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:2
買ってまで読むべき事は何も無い

面白さ:2
全てがよそで知る事が出来る。

必携度:1
定価で買った人が可哀想。

入手難度:1
当然1円出品多数だが、送料の価値も無い。