バルタンの星のもとに書 題:バルタンの星のもとに
副 題:
著 者:飯島敏宏 ほか
出版社:風塵社
発行年:1997/2/20
飯島敏宏だろ!とずっと思っていた。
いわゆる特撮ヲタクのような連中が、
実相寺昭雄ばかりを持て囃していたのが気に入らなかった。
実相寺が異色に映ったのは、根本の作りが確りしていたからで、
その根本を確り作る方が大事な事だし、評価されるべきだと。

『2020年の挑戦』の飯島敏宏だろ。
『侵略者を撃て』の飯島敏宏じゃないのかよ。
ケムール人はあんなに怖くて、面白かったじゃないか。
バルタン星人こそが日本で一番有名なウルトラ怪獣だろ。
なんで飯島敏宏をそこまで無視できるんだ、お前らは?
という痛烈な思いがずっと胸中に有った。

ついでに言えば、これは他の正当派監督全てに言えた事だが、
中でも飯島敏宏の仕事はワタクシ好みだった。
ウルトラQで一番好きなのは、彼の脚本である『燃えろ栄光』である。
千束北男は、飯島敏宏の脚本名であった。
満田監督の演出が非常に小気味良く、一篇のドラマとして面白い。
その満田監督も、随分と評価されずに来ている。

飯島敏宏と言えば、TBSから木下プロに出向、そこの社長にまでなる。
冬の旅だの金妻だの毎度お騒がせしますだの、
一般ドラマでも非常に語るべきものが有る人なのだが、
どうしてもウルトラの話が半分を占めてしまう。
そうであるなら、本が薄すぎるんだよ、300頁くらいじゃ(笑)。
やはりインタビュー形式だと密度が薄くなるので、
次はきちんとした回想録を出して欲しいところだが。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:7
待望久しい飯島敏宏本。

面白さ:7
当然、面白くないはずが無い。

必携度:6
上記内容に興味が有る人なら。

入手難度:5
それなりの値段で