タイアップの歌謡史書 題:タイアップの歌謡史
副 題:
著 者:速水健朗
出版社:洋泉社
発行年:2007/1/25
書題の通り、「タイアップ」という観点から
日本歌謡史を語るものであるが、
戦前の「カチューシャの歌」から始まり、平成のビーイング、
更にその後のタイアップ不振時代まで、幅広く一気に綴る。

新書版で200ページ少々しか分量が無いのが難で、
これだけの範囲を語るには、あまりに駆け足という感じだ。
しかしその分、一気に読み切らせてしまう。
内容的には非常に面白いものだ。

具体的には、生の証言はほぼ無く、
資料検証しての引用が主な情報となっている。
但し、これが次から次と様々な観点から繰り出されるので、
非常に重宝する著作となっていると思う。

中でもやはり、テレビに関するタイアップの話が多いが、
ワタクシ個人としては知っている話も多く、
また、もっと詳しく書いて欲しかった部分も有る。
例えば「日本テレビ音楽」は、絶対に外してはいけない視点。

しかし、これだけ小型の情報で収まっている話としては、
隅から隅まで無駄が無い感じで、興味が有る人は
きっと購入しても後悔する事は無いであろう。
800円ほどの価格も適当かもしれない。


 ★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:8
  資料引用の羅列だが、きちんと出典が明示されている。

面白さ:7
  次から次と繰り出されるタイアップの歴史。

必携度:7
  流行歌史に興味が有る人は是非。