想い出はテレビヒーローと共に書 題:想い出はテレビヒーローと共に
副 題:~ボクらが育った1960年代~
著 者:霜月十九郎
出版社:文芸社
発行年:2006/2/15
スカパーを知っている人は多いと思うが、
それ以前のCS放送を知っている人は限られるだろう。
ホテルや一部地域だけを対象とした
都市型ケーブルテレビ時代から、
キッズステーション(KS)という局は存在していたのだ。

ワタクシもスカパー誕生以前から、個人でアンテナを立て、
その放送を受信していたのだが、あの頃のKSは凄かった。
今はともかく、その当時は、放送では勿論ソフトでも、
今のように何から何まで見られるという時代ではない。

そんな時期に、『美人はいかが?』だの、
『なんたって18歳』だのを放送していたのを知り、
矢も楯もたまらずに専用チューナーを購入したのだ。
たしかチューナーだけで7、8万したかな。
アンテナまで入れれば10万はかかったはずだから、
正に道楽、誰もが見られた放送ではなかった。

キッズステーションは、その衛星がパーフェクTVとなり、
正式に一般人にも視聴できる衛星放送となってからも、
暫くはその路線で突っ走っていた。
うしおそうじを呼び、キスゴンという怪獣を局の顔として、
キッズステーション友の会というファンクラブもやっていた。
あれはパーフェクTVになる前だったか。

通好みの番組を次々に放送してくれるのが嬉しくて、
ワタクシも友の会には加入していた。
今でも、その手書き・コピーの会報は保存してあるし、
うしおそうじ画によるキスゴンのペンもどこかに有るだろう。
プレミア価格で買ってくれる人がいたら売りたいが(笑)。

そんなキッズステーションの運営をやっていたのが、
おそらくこの著者であるようだ。
更にこの人物は、その後ベストフィールドを設立。
キッズステーションでも大人気であり続けた
九重佑三子のコメットさんを始め、
昭和の子供番組を次から次と、あれもこれもDVD化している。

ワタクシも、レインボー戦隊ロビンは購入してしまったが、
他にも、こんなものまで!というようなDVD化の顔触れで、
今度は仙人部落までDVD化というのには驚く。
きっと、昭和の全子供番組をソフト化してくれるかもしれない。
キッズステーションでやっていた事を、映像ソフトに置き換え、
更にはカフェ&ダイニング・バーまで手掛けている。
んー。ワタクシのような人間の、最上位にいる人だ(笑)。

本の内容は、いわゆる回顧もので、個人的な体験を中心に、
昭和の東京オリンピック前後の子供事情が語られる。
ありがちな題材ではあるが、個人的な体験が多いので、
内容としてはそれほど既視感を感じるものではない。
ただ、本も薄めで、字も大きく、字数が少なく、
本全体としての情報量は決して多くはない。


★★★★★ 独自採点 ★★★★★


資料性:5
  個人的な体験がけっこう多い。

面白さ:5
  この手の内容が好きな人には読み易い。

必携度:3
  資料価値としては低め。

入手難度: